引き続き、SMA のデータマネージャー(EDMM-10)にあるデジタル接点信号による自家消費システムを考えていきます。
今回は、ピークの発電量が需要よりも上回る場合です。
電気代削減、Co2フリーのエネルギー使用量の最大化となると、どうしても、発電量が需要を上回る場合が出てきます。これも事前にどの程度、上回っているか確認できていると制御しやすくなります。
例えば、ピークの発電量が100kW 見込める時に、負荷が80kW を想定するなら、その場合、パワコンに80%以下の制御指示を出せばよいことになります。実際は誤差もあるので、75%くらいの発電量にした方がよいかもしれません。ギリギリ狙うと不要動作が生じますので、あとは運用しながら最適な制御指示を調整していきましょう。
パターンが複雑すぎてタイムスイッチで制御しきれない、設置スペースが十分あり太陽光でなるべくエネルギー供給したい、こんな時は不足電力継電器(以下、UPRと表記) という保護継電器があります。元々は系統側の短絡、地絡事故による電力不足から停電を検出するための継電器です。なので、不足電力継電器と呼ばれております。本来の用途とは違いますが、系統から購入している電力の低下によって動作させようという方法です。
オムロン製のUPRとして、K2ZC-K2WUシリーズがありますね。タップの設定が最大10%なので、太陽光発電のピークが需要よりも大きく、雲の流れが速かったりすると、 10%の設定では、UPR よりも逆電力継電器(以下、RPRと表記) の方が先に動作するかもしれません。
実際は天候にもよりますので、案外動作しなくてすむかも。RPR だけの時に比べれば、出動回数は減ると思います。
とはいえ、ピーク発電と負荷が乖離すればするほど、UPR が動作する前に逆潮流が発生し、RPR が動作しやすくなります。UPRのタップ整定値を最大にするほか、動作時間に差を設けて、確実にUPR が動作し、パワコンの出力を下げるようにしておくようにしておきましょう。
パワコンが出力低下するのにも若干時間は必要です。
UPR の動作時間を最短の0.1秒に設定すると、、、
デジタル接点信号をデータマネージャーが受け取り、パワコンへ指示するまでに0.5秒とすると、、、
パワコンの出力傾き100%/秒にすると、20%出力ダウンなら0.2秒なので、
合計0.8秒なので、1秒程度で出力制御ができそうです。
RPR は念のため、5秒くらいの動作時間設定にできると不要動作は起きなさそうですね!
なお、オムロンのUPR の取説には、系統連系保護のために用いる場合は、2相にそれぞれ設置する必要あるため、UPRが2台必要な結線図となっていますが、自家消費の制御のためであれば、1台設置でOKです。
自家消費システムの参考になれば幸いです。
次回は、データマネージャーと直接Modbus通信できるパワーアナライザーによる自家消費システムを検討したいと思います。
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