早速やろう自家消費!第5回

今回はケース別にどのような設計を基本とすればよいか、見ていきましょう。

ケース1  常時、電力需要がある場合 例:冷凍倉庫

24h 安定して電力需要があるため、発電量の最大が最低需要を超えないように注意すれば、リアルタイム制御は不要。 電気代削減のために、より多くの太陽光発電を設置し、最低需要を超過するようであれば、発電制御が必要となる。その場合、下記2パターンを検討する。

  1. 逆潮流(無償または有償買取)を電力に認めてもらうように交渉。
  2. 電力協議に時間がかかり、会社の予算や自治体などの税金優遇政策の締切に間に合わない場合は、RPRを設置することで連系協議の時間を短縮する。RPR の検出・動作時間を延ばして発電量制御の時間を確保しておくと出力制御の選択肢が広がってよい。

ケース2 特定の日時に電力需要が減る場合 例:生産設備がある工場

昼休み、土日祝などの設備を停止する時間帯が存在し、発電量を制御する必要がある。しかし、需要が低くなる時間帯は、はっきりしている。設備運転時の需要に対して、発電量が超えない見通しなら、シンプルにタイムスイッチによる接点制御で、昼休みや週末の軽負荷時に対応することで十分。
設備運転時において、発電量が需要を超える場合は、冷凍倉庫と同じく2パターンを検討する。

ケース3 常時、電力需要があるものの規模がやや小さめ 例:スーパーマーケット、ドラッグストア

冷凍機や空調設備があるため、こちらも安定して需要がある。冷凍倉庫ほどの需要はないが、設計方法は同じ。

ケース4 屋根サイズが小さく(150m2 以下程度)、オーブン、空調などの電力使用機器多数の場合 例:パン屋(電気式オーブン)、美容院、ファミレス

連系容量を9.9kW にして、余剰売電を申請するのが手っ取り早くてよい。高い過積載率(200%程度 )に対応したパワコンを使い、とにかく定格目一杯で発電する。小規模の場合は、RPR やリアルタイム発電制御をすると規模に対する費用効果が低くなってしまうので、逆潮流OKの余剰売電がよい。

買取期間終了後はどうすればよいか?太陽光発電しているときは電気自動車を充電できるようにする。ヒートポンプを動かしてお湯を確保するなどの自家消費率を高めるようにすればOK。10年後にはいろいろとソリューションが出てきているハズです(熱湯という形でのエネルギーが必要であれば、太陽熱を導入した方がエネルギー的には効率いいです)。

ケース5 ピークは高いが、電力使用量は多くない場合 例:生産設備がある工場

蓄電池の導入費用がまだ高いため、蓄電池を大量に導入して自家消費率を高めるのは、まだ待ってよいと考えています。蓄電池も導入したい!ということであれば、ピーク需要時に蓄電池から電力供給を行い、電力会社との基本契約を見直すシステムにしておくと、蓄電池を少なくできます。ピークカットと呼ばれる手法です。

以上、ケース別の導入案でした。イメージがわいてくれば幸いです!次回はパワコン選定についてご紹介します!!

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