高性能なJanitza(ヤニッツァ)社のマルチメータといえども、配線しなければただの箱にすぎません!
さぁ、VTやCTの配線を接続しましょう!
この長い長い坂道は2人乗りの自転車で下る分には楽しいものですが、マルチメータへの配線は長い長いものになると困ります。
と、いうわけで今回はVTやCTの配線を接続する際に気を付けよう、『負担』についてです。
6.6kVの高圧受電しているキュービクルですと、盤内にVT, CTが存在していると思います。
RPRや自家消費制御用に新設すれば、まず問題になりませんが、費用や盤内スペースの制約があるため、既設VT, CTから流用するのも早くて安く仕上がる方法です。
しかし注意しなければならない点があります。それは、既設VTやCTの“定格負担”を超えないようにすることです。
Janitza社、UMG604-PROにおけるVT, CTの消費電力は下記になります。
電子式なので、当然、値としては小さく、マルチメータを追加したからといって、VTやCTの負担を超えることはないと思います。
UMG604-PROの取説から確認した値ですと下記になります。
VT入力部:0.1VA
CT入力部:0.2VA
ただし、追加した配線による負担はしっかり考慮に入れましょう。
既設キュービクルの中でマルチメータの設置・配線が完結するのであれば、大きな問題にはならないと思いますが、別途、保護継電器ボックスなどをキュービクルの外に設ける場合、配線が長くなります。
CTから見ると、配線やマルチメータは直列に接続されるため、配線も負担の計算に入れます。
一方、VTへの配線やマルチメータ増設は既設と並列に接続されるため、配線の消費電力は計算する必要なく、あくまでマルチメータ本体の消費電力のみ考慮すればよいようです。
CT二次側 配線の負担計算は、下式になります。
VA=I2×R×L / 1000
I:定格二次電流 (1A, 5Aなど。下表では、5Aにて計算。)
R:導体抵抗(Ω/km)
L:配線長(往復)(m)
二次側配線の負担一覧表
導体抵抗は代表的なもので、メーカーなどによって、変わる可能性があります。
KIV線 公称断面積 (mm2) | 導体抵抗 (Ω/km @ 20℃) | 10m時の負担 (VA) | 15m時の負担 (VA) | 20m時の負担 (VA) |
2.0 | 9.5 | 2.38 | 3.56 | 4.75 |
3.5 | 5.09 | 1.27 | 1.91 | 2.55 |
5.5 | 3.27 | 0.82 | 1.23 | 1.64 |
Janitza社のマルチメータは、CT入力は1A, 5Aの双方に対応しています。配線の負担が大きくなる場合はCT二次電流が1A品を選ぶという選択肢もあります。
以上、配線の負担の注意点でした。お役に立てば幸いです。
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以上、次回もお楽しみに!!
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